第46回 やっぱり見た目も大事でしょ
2024.11.01
先日の石破内閣発足の記念写真、新聞に掲載された最初の写真は、さすがに格好が悪いということで官邸が発表した正式な記念写真では石破総理と中谷防衛大臣のウェスト部分に修正が加えられていました。しかしウェスト部分からはみ出したものを隠せば済む、という問題ではないと私は考えています。政治家に限らず、最近のそれなりの地位にある人々、政財界の重鎮の方々とでも言えばいいのでしょうか、の服装は果たしてちゃんとしていると言えるでしょうか?
故安倍元首相や麻生太郎前副総裁は海外でどこへ出ても恥ずかしくないちゃんとした仕立ての洋服をお召しになっていらっしゃいました。一部の国民は贅沢だ、と批判したような話を耳にしますが、一国の元首がちゃんとしていて何が贅沢なんでしょうか?外国を訪問した時に、自分の国の元首がみすぼらしいことの方が余程悲しくありませんか。
私は何も常にスーツを着てネクタイを締めていなくてはいけないと言っているわけではありません。TPO FOPに相応しい装いをしていただきたい、と言っているのです。
これは親しくしている服飾評論家の方から伺った話です。顔見知りの議員さんとの話。
東京に帰る新幹線の中で地元の選挙区から東京に帰る某国会議員氏に遭遇。普段はきちんと仕立ての良いスーツを着ているのに、何故か安物のヨレヨレの背広姿だったので「どうしたの?」と尋ねたところ「選挙区にあんまりちゃんとした背広で帰ると贅沢していると批判されるので」という返事だったそうです。
なぜ地元の先生が他の人より立派で格好良くてはいけないのでしょうか?
私も某官僚の方から「国会で質問を受ける時に、余りきちんとした背広で出席しないこと。TVに映って贅沢していると思われないために、と言われている」という話を伺ったことがあります。
日本人は何時からこんなに僻みっぽい国民になってしまったのでしょうか。
日本ではタレントや芸能人に限ったことと思われがちですが、海外の政治家やマスコミに露出の多いトップエグゼクティヴ達には必ずと言っていいほど“スタイリスト”が付いていて、何時 何処で何を着ればいいか。何色が顔映りが良いかなどのアドヴァイスを受けています。それほど“見た目”が大事にされている証拠と言えましょう。現在話題になっているアメリカの大統領選挙ではきっと莫大なお金が見た目をよくするために使われていることと思います。片や自民党の総裁選です。見た目にお金を使った人はいたでしょうか。挙句の果てがあの写真です。
男性のF(フォーマル)O(オフィシャル)の服装は女性の場合と違って決して莫大なお金が掛かるわけではありません。流行に左右されない当たり前で、仕立ての良い洋服を着ていれば、それで十分です。必要な手入れを怠らないで体型を維持すれば(健康管理にも役立ちます)10年は着用可能です。流行を追った洋服はすぐに流行遅れになってしまいますので、かえって高いモノに付きます。
弊社のお客様で海外駐在が長かった某大企業のお洒落で有名だった社長はよく「これ写真映りどうだろうか?」とお尋ねになりました。
「装うことは教養です」とおっしゃった財界の大先輩もいらっしゃいます。
弊衣破帽が男性の魅力、着るものなんかには無頓着、という古い日本の考え方はこのグローバルな時代にはそぐわないので、そろそろ世界基準の身嗜みを身に付けては如何でしょうか。いつでもご相談に乗ります。