注文服ができるまで

完成納品時のチェック・ポイント

まず、肝心なベルトを締める高さとウェストの寸法ですが、気持ちのよいところで止まっているでしょうか?そして、ウェストの寸法はいかがですか?フィット感はお好みに合っていますでしょうか?

はい…。前回迷いながらウェストの位置を決めたと思うのですが、正直今でもどこかと聞かれるとわからないのですが、今のこの位置でいつもベルトを締めていると思います。寸法はばっちりです…しかしこれはちょっとお腹が出て…お腹まわり太い(笑)

太さ、長さはいかがですか?

ズボンの丈と太腿あたりの太さですよね。丈はその時の靴によって微妙に違っているのだと思いますが、前回と違う靴を履いてきてしまいました(笑)。でも、ばっちりです。太さは…正直、どこのあたりがちょうどいいのかわからないのですが、この流れの感じが非常に綺麗でビックリしました。

ここに出ているゆとりは、取ってしまうことはできるのですが、これをとってしまうと立っている時はきれいなんですが、歩く時、特に階段を登る時等に、ヒザにズボンが絡んで大変に窮屈になってしまいます。 運動量としてあえて少し残してあります。

ふむふむ。なるほど…。そういう話を聞くと、仕立てるってことの本質的な意味がわかってくるような気がします。美しさと同時に機能性も重要な要素ですからね。

上着を着ていただきます。アーム・ホールは腕の運動を容易にするために窮屈にならない範囲で小さく設定していますので、脇の下にシャツが溜まらないようにご注意ください。窮屈なことはありませんか?

アーム・ホールが大きすぎると腕の運動がしにくくなるのですね。確かに。シャツも溜まっている感じはありません。きつい感じもありません。これも意識的になるとなんだか不思議な感じです。普段意識したことがないことなので、これがちょうどいいのか考えてしまいますね。でも、まったくといっていいほど違和感みたいなものはありません。

さあ、羽織られた感じはいかがでしょうか?

気持ちいい…。なんだか笑ってしまうというか笑顔になっちゃう。馬子にも衣装…ってことかな。カッコイイですねぇ…。ちょっとうっとりしちゃう。(笑)

拝見したかぎりでは肩もラペルもきれいにできています。実際に羽織ってみてどこかあたるところが無ければ大丈夫だと思います。

まだなんだかニヤけてしまいます。羽織ってみてひっかかるようなところは、本当になんにもありません。

袖丈もワイシャツが1センチ程度覗いていて、シャツとは理想的なバランスです。

そうですね。仮縫いの時はシャツの袖が長すぎたのですが、今日は一応、自分ではちゃんとあっているかな?と思っているシャツを着てきました。バランスよく見えます。

ワイシャツのカラーもこの位見えているのが理想的です。

この感じ絶妙な…。

上着の前後のバランスをチェックします。脇に斜めの引かれジワが出ていないか。背中がはねていないか。前下がりの具合はどうか等を見ています。背中もよく着いていますし、前下がりもちょうどいいと思います。

ここに付いている印は何ですか?

ここに付いている印は、袖をこの位置に下げるという印です。お客様はそれぞれ腕の位置が違われますので、お客様の腕の位置にあった袖付けをしないと、お召しになった時醜いシワができたり、腕を動かすのに徒に窮屈だったりしてしまいます。
私共独特の工夫かもしれません。もちろん後で取ってしまいます。

なるほど…。ここにもそれぞれの身体にあわせた微調整があるわけですね。感服いたしました。

さあ、拝見した限りでは洋服としては合格点だと思います。あとはお客様のお召しになり心地が問題ですので、暫くお召しになって、何かお気に召さない点がございましたら何なりとおっしゃってください。

これでシッカリ型紙ができあがっています。次回からはこの型紙にご寸法や体型、トレンドやお好みの変化、さらには服地の微調整などの修正を加えながら作業を進めていきますので、1着目よりは2着目、2着目よりは3着目とだんだんいいお洋服をお納めできるはずですし、またお好みにもよくあってくると思います。これからも永くお付き合いいただいて、洋服屋を上手に利用していただくといいと思います。

40歳を過ぎて体型がずいぶん変わってしまって、久しぶりにあった友人達からは太ったねぇ…とか言われるようになりました。同時に、いまひとつ既製服を着ていてもしっくりこない感じがしていました。既製服が似合う体型になれという意見があるのかもしれませんが、そういうレベルとは全く違うのだと今回実感しました。
はじめての注文服で、あまりにこちらが無知なので、いろいろ質問していただき、それに答えるかたちですすめてもらったのですが、正直なところ、服地を選ぶことにはじまり、ベルトの位置や袖の長さやゆったり感などなど、これまであまり意識的に見ていなかった、あるいは感じていなかったがために、どの感じが自分にとっていいのかうまくいえないというのが本音でした。
しかし、徐々に慣れてくるというか、高橋さんの質問に答えていくうちに、自分の身体に対して自覚的になるという経験ができたのだと思うのです。しかもそれは太さや長さといった数値の集積ではなく、髙橋洋服店の経験の蓄積というかいろいろお話を聞かせていただきながらの楽しい経験でした。「着る」ということの意味がかなり変わった気がします。
それにしても、初心者で不案内なままご相談したにも関わらず、素晴らしいスーツを作っていただきました。型紙があるということですので、また次回お願いできればと思います。

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