注文服ができるまで

仮縫い試着(フィティング)時のチェック・ポイント

まず、ベルトの高さを伺います。このズボンでは、ベルトの高さはここに締めるように設定してありますが、いかがでしょうか。骨盤の形によってベルトの高さには個人差があります。ズボンがズリ落ちずに気持ち良く履けるところは一箇所しかありません。ズボンを仕立てる上で最も大切な部分なので、慎重にチェックして下さい。

一箇所しかない…と聞くとちょっと考えてしまいますね。案外普段深めというか高めの位置でベルトしているのかな?…たぶんこのあたりでベルトしています。(多少自分でもよくわからず、いつもこのあたりかな?と。)

次に、横を向いていただき、太さと長さを伺います。これはある程度トレンドやお好みで決定してゆきますが、全体のバランスに付いては多少のご提案をさせていただきます。

(う、お腹が出ている…。)足が長くないのと、お腹の太さもあってあまり細身のズボンは似合わないと思っていたのですけど、一方で太いのもどうなんだろう?と。そんなわけで、好みとしては細からず、太からず…という中庸な感じのものを好んでいると思うのですが…。

上着を着ていただく時は、わきの下にシャツが溜まらないようにご注意ください。

フロントの釦を掛けた時のようにピンで留めて、調整に入る前に、全体のイメージを伺います。上着の丈は希望どおりか。肩先が窮屈ではないか等です。

肩先は窮屈な感じはしないです。上着の丈なのですけど、既製品だとちょっと長めのもあったり短かったりとそれはそれで…と思っていたのですが、いざどの長さが…と聞かれるとわからなくなります。でも、ちょっとボクの普段の感じからすると短めの気がしますが、全体のバランスをみているとこの長さがベストのような…。

肩幅を拝見します。広すぎると腕を上げ難くなりますし、狭すぎると窮屈です。

いや、なんかピシッとして気持ちいいです。狭くもなく…腕もちゃんとスムーズにあがります。確かに、既製服で着てみて腕がちょっと上がりにくい感じがあったのを思い出しました。スムーズに肩幅が整えられているのを着てみてはじめて、以前のがきつかったんだとかゆるかったんだ…とか思い出す感じです。

袖丈をチェックします。袖口からワイシャツが1cm弱覗くくらいが理想的ですが、それにはワイシャツの袖丈も重要です。上着の袖丈だけが適正に設定されていても、ワイシャツの袖丈が正しくなければ、袖口から正しくワイシャツが覗いてくれません。

今日、ボクのワイシャツの袖が長いですね。もともとちょっと腕が短いと思っていたので、既製品のワイシャツだと袖が長くなってしまいます。仮縫いの時にはちゃんとサイズのあったワイシャツを着てくること…と。

袖丈チェックが終わったら、袖を外してしまいます。

お、袖がはずれる…。かなりカンタンに外れるのですね。

上着のハングのバランス、つまりお客様の身体に上着が正しく下がっているかどうかをチェックし易くするためです。フロントが持ち上がっていないだろうか、背中が引き上げられてはいないだろうかを注意深く拝見します。

なんだか自分までつり上げられているような…(笑)。正しく自分の身体に下がっていないと、なんかヨレヨレに見えたりするのかしらん?

バランスチェックの結果を参考にして、肩の縫い目を解いて前後のバランス調整を行います。上着が正しく身体に下がるように修正します。

あ、そうですね。やっぱり正しく身体に下がっているってのは肩からちゃんと下がっているかですよね。だから肩で調整する…と。にしても仮縫いとはよくいったものですね。カンタンにはずれるのですね。ちょっとそれにビックリしました。

この時左右の肩の高さや厚さの違いも同時にチェックし、肩の縫い目の設定の参考にします。

これもビックリしますね。肩の高さも、確かにあたりまえなのですが、左右は違うのですよね。普段自分の着ているものの左右の肩の高さの違いは意識したこともないし、腕が短いな?くらいは意識していましたが、左右の腕の長さを意識したこともなかったです。ま、とはいえ、意識したとしても既製服ではそれに対応することはできないわけですから、本来、左右の違いがあることが自明なのだけど、既製服の既成概念(笑)にとらわれてしまっていて、逆に意識しなくなっている…。

再度フロントの余裕をチェックして、最後にもう一度ウェストのご寸法を測らせていただいたら、フィッティングは終了です。

とにかく仮縫いのフィッティング時は日常あまり意識していないチェックポイントを聞かれて、その都度、自分の身体に意識的になるのですが、意識的になりすぎてなんだかわからなくなってしまいました。ベルトの位置は本当に普段このあたりなのか?って考えてしまうとわからなくなります。ちょっと緊張していたのもあります。そのへんは高橋さんのお話を聞きながら、緊張も少しほぐれてくるので、あとでやっぱりここがポイントかな?というところはお伝えしました。それにしても、自分の身体がこうも左右対称でなかったり、ずれていたりということにビックリします。そもそも本来は人間の身体ですから、左右も上下もずれていたり違っていたりするのが当然なのですが、そのことを既製服への慣れなどがあって、意識しなくなっている。だから、今回のような経験ではじめて意識することになる。スーツを作るという以上に自分の身体を自覚的に反省するという貴重な経験でした。

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